2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

騙れ

宙に浮いた前提から始まるなら完全な論理も何てことはない全てが虚構だから 一方で地に足の着いた前提から始まる物語は混乱に足る曖昧さを孕む境界線など在って無いようなもの

目盛りを超えて

「人間が未成年の状態にあるのは、理性がないからではなく、 他人の指示を仰がないと、自分の理性を使う勇気も決意ももてないからなのだ。 だから人間はみずからの責任において、 未成年の状態にとどまっていることになる。」 ―――カント『啓蒙とは何か』 知…

world end

さぁてそんな君には自己弁護の意図を以てこれを薦めようではないか 僕がどういう想いで不安定に安定を求め身を削ぐように進むのか少しは理解する気になってくれるかもしれない 繊細な感覚を持つ君はそんな傲慢さにすぐ気付いて解り合おうなんて更々思わない…

坂道小道

「あの坂道を 僕は一人で歩いた 遠い君の背をかすむ僕の影法師 大丈夫 大丈夫と ぼやけた太陽 少し伸びた髪をかき上げたら 窓を流れる」 ―――くるり『坂道』 菊坂。 金魚坂。 坂道小道は心を穏やかにする。 あの坂道は、故郷へと続く坂道。 そんな想像が広が…

夢を忘れる

「歌がそこに在るから歌うんだ」 感覚を開くというのはいいものを沢山感じられるということと同時に不快なものも沢山入ってくるということ 世界は常にそこに在るあたりまえの風 あたりまえの夕日 感覚を開くと世界が雪崩れ込んできて自分なんてものは すぐに…

ぽたっ

イメージしたら指先から文字が零れそうな気さえする 言いたいことなら沢山あるさ投げかけたら吸い込まれそうで慌てて言葉をうやむやに散らしたさ 不安定の中に安定を求めるそれこそ内包した自己矛盾で その奇妙なバランスから言葉が溢れてくるから 敢えて零…

紙の器

大きな器を紙一面に描いて両手で高く掲げてみる 紙だからとても軽くてこれは便利だと思った でも所詮 紙だから水を注ぐと染みるし平面的だから物を乗せることもできない 高く掲げてきた それは案の定 役立たずで 滲んだ輪郭の使い物にならない器を手に 途方…

偲ばせた華

朽ちかけた華が 放つ香りは 鮮やかで重くて 息を吸い込んだ途端 胸が苦しくなった 存在感を 訴え続けようとする そのしぶとさが 強くも果無く 体の奥の 裏側に纏わり付いて うざったくも愛しくもある

夢に堕ちる

突然 始まる恋のように 一瞬で夢に堕ちる 眠れない夜 誰か 夢に堕として 蜃気楼かな? 夢のような日々だった やたら美しい 気がついたら 登場人物の関係図から 私の名前だけが無くなっていた ストーリーは 私を取り残して進んでいく 二つの事実の断片が 現実…