紙の器

大きな器を

紙一面に描いて

両手で高く掲げてみる


紙だから

とても軽くて

これは便利だと思った


でも

所詮 紙だから

水を注ぐと染みるし

平面的だから

物を乗せることもできない


高く掲げてきた それは

案の定 役立たずで


滲んだ輪郭の

使い物にならない器を手に
途方にくれるのは

誰でもない 自分自身だった